森の紙を使って新しい商品を作っていきたい・・・
さて、何を作ろうかと考えたとき、最初に思いつくイメージは
今も思い入れが強いか、あるいは過去に強かったモノになる。
商品企画の仕事を約30年、飽きることなく黙々と続けていると、必ずお客さんのツボにはまる商品がある。
そのひとつがマネークリップだ。(だった。)
スマホが財布替わりになって、キャッシュレス化が進む中、小銭はジャラジャラするので、持ち歩きはしたくないけれど、お札をポケットに入れておきたい・・・
今ではマネークリップは立派な市民権を得た身近な道具になったので、手元にひとつは持っている人がいるだろうし、さまざまなタイプが出回っている。
ちなみに当社が初めて販売したのは、2002年のこと、ポールスミスのクローム色のシンプルなデザインだった。
当時から財布といえば革製の2つ折りが主流で、長財布も広がり始め、オシャレな人ならコインケースと両方持つことで上手に使い分けていた。
マネークリップの存在そのものを知らない人も多く、ニッチなアイテムだと見られていたけれど、なぜか女性からギフト購入されることが多かった。
今で言う、サプライズな贈り物だったのかもしれない。
「某ブランド専門のモールで売れなかったけど、売ってみない?」
取引先からの提案が取り扱いをするきっかけになった。
その頃、ブランド物のマネークリップは、あまり売られていなかったので、ニッチな商品を好む僕のアンテナは、そこそこ売れると判断。
思い切って50個ほど買い取りしたところ、予想外のスピードで完売。
その後再入荷を数回繰り返して、150個ほどが数か月で完売した。
シンプルで格好いい、海外旅行で紙幣を分けられる、かさばらない・・・
いろんなキャッチコピーを考えながら、全力投球。
起業して間もない頃のことなので、100個単位で売れる商品はお宝もの。
売れた喜びをかみしめた記憶がある。
こん想いを胸に刻みながら、懲りることなく今もマネークリップを気に入ったモノだけ扱っている。
さて森の紙で作る場合、何を初回作にしょうか?
やはり、木の材質にこだわりたい。
森の紙の厚さは、最薄で約0.15mm程度、元々は業務用のため雑貨として販売するには木の調達が必要な上、ものづくりに携わっている方ならおわかりのとおり、工場を通してマネークリップ本体を入手もらう場合、必ず生産ロットという最低限の条件がついてくる。
そこで、本体の金属部分は当社ルートで独自に小さなロットで調達、職人さんがいろいろな種類の木をマネークリップ本体に貼り合わすことで実現したのが、こちらのマネークリップ。
杉、ひのき、ウォルナット、オーク、タモの5種類に加えて、普段は調達しにくい新しい木種を追加。
サペリ、メープル、チークが新たに加わりました。普段は安定供給が難しい材質なのですが、マネークリップサイズなら今は入手できそうです。
デザインは2種類、近日発売予定です。