エイプリルフールの4月1日、元号が変わったことに気を取られていたせいか、メインの業務を任せている川崎事務所の主力スタッフからのラインを見落としていた。
「お話がありますので、時間ください」
これまでの彼からのラインの大半は、休みか半休を取るための相談だったのだけれど、今回は大型連休もあり、これ以上の休みはいらないはずなので、もしかしたら・・・
そんな予感を胸に、夕方事務所に顔を出した。
お互い席に着くと同時に、僕が半ば冗談ぽく
「辞めるの?」
と聞いてみると
言いにくそうにしながらも
「5月から新しい会社で働きたい」
との返事が返ってきた。
その瞬間
「やっぱり、その日が来たか」
これが僕の正直な心の声だった。
18年間会社を経営していると、スタッフの入れ替わりは若干あるものの、「転職が理由で退職する」というパターンは今回が初めての出来事。
数年間、彼には現場の仕事を任せていたので、会社にとって短期的にはちょっと痛い。もしかしたら相当の痛みを覚悟したほうが良いのもしれないとも思う。
ただ、自分の経歴を振り返ってみると、6回の転職経験をした後に、サラリーマンは不向きだと痛感して起業した経緯があるので、慰留する気持ちは持ち合わせていないため、即答でOKの返事を返した。
今後の引き継ぎは大変だけど、次の職場で羽ばたいてほしいものだ。
気になるのは、慌てて人員を補充する考えが今は思いつかないので、ただでさえ正社員の平均年齢が高いのに、彼の退職により平均年齢が10歳ほど上がることだ。
中小企業が抱えている問題といえば、それまでだけれど
「年齢よりも、アイデアとやる気でしょ・・・」
年号が変わっても昭和マインドを引きづりながら、残ったスタッフの健康管理とお互いをサポートし合う気持ちを忘れないで、新たな体制に早速移行しています。